鋳造技術とは
鋳造模型とは鋳造に必要な砂型を作るための治具で、複数の部品を組み合わせた製品です。 昔は素材に木を使うことがほとんどだっため木型とも言われています。現在は使用回数や精度によって材質は異なり、木、ケミカルウッド、アルミ、鋳物などが使用されます。 鋳造は溶けた高温の金属を砂型に流し込むことで製品を作る製造方法で、鋳造模型はその砂型を成形するために繰り返し使用されます。繰り返し頻度は製品によって変わりますが、多いものは数万回使われることもあります。 鋳造模型の形状は最終製品に近い形をしていますが、複数の製品を一度で作れるような工夫がほどこされていたり、溶けた金属が流れるための流路があります。 鋳造模型は繰り返し砂でこすられるため、徐々に摩耗し精度が落ちたり、かけたりすることがあります。通常、鋳造模型を複数つくることはしないため、鋳造模型が壊れたりするとラインが止まってしまいます。そのため、予め繰り返し頻度や精度を検討した上で、どの材質を使うかを決めます。例えば、頻度が少なく精度が低くても良い場合は木材やケミカルウッドを、頻度が多く高精度が求められる場合はアルミや鋳物を使います。
鋳造方法
鋳造と当社の役割である鋳造模型についてご紹介いたします。。
①鋳造模型を作ります。最終製品とほぼ同じ形状に、金属が流れるための流路をつけています。
②鋳造模型の周りを砂で固めてます。
③砂をそっと割って鋳造模型を取り出します。すると砂に銅像の形をした空洞ができます。これを砂型といいます。
④製品の内部を中空にするときは、砂型に中子と呼ばれる焼き固めた砂をセットします。
⑤砂型に溶けた金属を流し込みます。
⑥金属が冷えて固まったら、砂型を破壊し製品が完成します。
鋳造模型の材質と特徴
鋳造模型の素材は大きく分けて2種類、木型と金型です。
そこに弊社オリジナルの3Dプリンタ素材を入れた3種類のメリット・デメリットを紹介します。
模型 | メリット | デメリット | 材料 |
木型 |
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金型 |
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3Dプリンタ (弊社オリジナル) |
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設計
製品や図面を見ながら、どのような鋳造模型にするか3Dモデリングを行いながら検討します。 鋳造鋳物は基本的には製品と同じ形になりますが、ただ単に同じ形を作ってもうまくいきません。砂型を作ることを前提に抜き勾配や型割りなども検討いたします。 また、形状だけではなく配置や材料、精度、重量などを含めた総合的な設計が求められます。 例えば、精度が必要な部分は金属、精度が必要ない部分はケミカルウッドを使うといった工夫を行い、コストや重量がお客様の要望に合うように設計していきます。 弊社では3Dプリンタを使った工法がメインにはなりますが、お客様のご要望に合わせて木型、金型なども製造可能です。
方案検討
鋳造模型の設計が終わったら次は方案の設計です。方案は溶けた金属が流れる流路を含めた鋳造方法の設計書になります。湯溜り、湯口、湯口底、湯道、押湯、揚り、ガス抜きなどがそれに当たります。 方案の設計は鋳物の品質に大きく関わってくるため、鋳造模型づくりの中でも最重要項目になります。 方案の設計にはある程度原則はありますが、鋳造してみなければ良し悪しは判断できません。製品形状が複雑になるとこれまでの原則が通用しないケースも多くなってきます。 弊社は3Dプリンタを使ってた方案部品を作るため、設計変更にも柔軟に対応可能です。
鋳造模型が大切な理由
鋳造模型は鋳物を量産するために使います。鋳造模型が使いづらいとリードタイムが伸びたり、鋳造模型の精度が低いと最終製品の歩留まりが悪くなるなど、製品の品質を決める上で鋳造模型の良し悪しは重要なポイントになります。
鋳造品の精度に大きく影響
鋳造模型の精度が悪いと鋳造品の精度が極端に悪くなります。
鋳造品品質に大きく影響
鋳造模型の設計が悪いと鋳造品が安定せず、品質にバラツキが発生します。
鋳造品の加工工数に影響
鋳造模型が使用しづらいと加工工数が伸び、生産効率が落ちてしまいます。
3Dプリンタを使った画期的な鋳造模型の紹介
弊社は鋳造模型の製造に3Dプリンタを利用しています。 3Dプリンタで鋳造部品を作ることで設計の幅を広げたり、コストダウン、設計変更のしやすさ、短納期などさまざまなメリットが得られます。 ケミカルウッドと比較した場合、すべての内容において3Dプリンタが勝りますし、金属型と比較した場合も耐久性以外は3Dプリンタが勝ります。また、耐久性については摩耗が確認されてからすぐに代替パーツを3Dプリンタで出力できるため、生産ラインへの影響はほとんどありません。 3Dプリンタは鋳造模型の作り方を根本から変える新しい工法として注目されてます。